昨日、現アミタホールディングス株式会社CEOの「思考するカンパニー」を読んだ。<2008年2月出版>
実に読みやすい内容であった。既存の企業を超える企業の存在が今後の日本で不可欠とあった。
モノづくりをする企業なら、ブレイクスルーだったりイノベーションを起こすことも重要なのかもしれない。
しかし、本書では、本当の価値と何か、語られていた。
とくに感銘を受けたのは、第五章の末の「人間力の勇者が必要だ」というところだ。
優秀でおもしろい人間に価値を見出し、企業ブランドをあげて、サービスなどを購入してもらう。そのような採用方法をとる企業が増えてくれればと思う。
実家(京都市右京区/旧京北町)のくらしは、昭和前期に似ている。おくどさんに毎朝火をくべている。お風呂も当然ながら薪風呂だ。ご先祖様が、林業を生業にしていたため、薪は豊富にある。まだ小学生のころ、薪割を手伝ったり、北山杉の杉つり(冬に雪で木が倒れないように)したのを覚えている。
僕の夢はこうだ。
アミタさんのオフィスを、それも小規模の研究所ではなく、一つのサテライトオフィスを誘致することだ。
SDGsの旗印のもと、旧京北第一小学校は「ことす」というテレワークなどを快適に行える環境を整えている。
そして、目の前には、なぜだかわからないが、小中一貫校の新築の校舎がそびえたつ。
もし仮にショッピングモールが進出したいといって、僕が市長だったら、お断りをしているだろう。162号線(周山街道)は混雑しては困る。
やはり定住してくれる人が増えてほしい。ショッピングモールに行きたかったら月に数回、都市部に1時間ほどかけていけばすむだけの話だ。
旧京北町は魅力にあふれている。かつて林業が盛んだった時代、少しばかりの富は蓄えているはずだ、現時点においては。
ここで、わたしが提唱する「りんどう/移住のススメ」の様な生き方が生きてくる。田舎で子育てをするメリットは大きい。冒頭にあった、「人間力の勇者」が出てくるとするならば、こういう環境で育った子になるに違いない。
愛知産業大学で建築を学んでいたときに、東大出身の学部長は常々、「田舎で育った人間の方が感性が豊である」とおっしゃっていた。私はその言葉を信じたい。
大量生産の時代から、人ひとり一人が環境や、人生の豊かさについて考えられる時間が、大切になってきている。一日に10分でも考える時間を持てば、世の中は良い方向にすすんでいくのではないだろうか。
楽観論ではあるが、熊野英介氏の「思考するカンパニー」を読んでそう思った。
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