妻のために、レバーの煮付けを作った。
月曜日、妻が仕事中に小指の先端を誤って切ってしまった。
昼休みに電話が鳴り響いた。妻からだった。出血が止まらない…。どうすればいい?どこの病院がいい?大阪から来た嫁は、土地勘がまだない。
かくいう私も、外科のかかりつけ医はなかったみた。とりあえず、急がねばと下鴨病院に電話した。
病院の回答は残念なものだった。整形外科しかしてないから、うちでは無理です。
ここで諦めてはならないと思い、近くの外科を教えてもらった。ありがたいことだ。
教えてもらった山添病院に電話した。時間外だが、電話に出てくれて、親切に対応してくれた。
忙しさもあって、嫁にはそれくらいのことしか出来なかった。しかし出血が多かったという話を聞いて、しかも、電話中に貧血気味になったという話を聞いていたので、昨日生の鶏レバーを買って煮付けを作った。
貧血対策だ。お腹の赤ちゃんにも影響するかもしれない。僕にできることはそれくらいだった。
そして昨日から仕事帰りに、嫁と山添外科に通うことにした。歩いて通える距離なので、たわいもないことを話し合える時間が出来た。プールに通っている時もそうだが、散歩している時間に会話するのは、本当にいいことだと思う。
妻は、左小指を濡らすことが出来ないので、一切の水仕事をすることになった。洗濯に炊事に、妻の髪を洗う仕事も増えた。
それでも妻との時間は愛おしく大切なものだ。
小指の爪半分を失うような、比較的大怪我だったが、毎日消毒に病院に行けば、どれくらいかかるか分からないが、元に戻るそうだ。
妻のメンタルがやられないか心配した。
だから、あえて「今、就活をしている僕を励ますのが、君の役目だ。そしたら俺があとは何とかするから。」そう伝えた。仕事も休むことになり、家のことも出来なくなるのが、本人には相当堪えたらしい。
僕よりポジティブになって、僕を精神的に支えて欲しい。無茶な注文だ。しかし彼女は喜んでうなずいてくれた。
そして、妻にはお腹にいる赤ちゃんがいる時点で、立派な家事をしているのだから、気にしなくていいと伝えた。
家にいる飼い猫のミミちゃんの存在も大きい。家にいてくれるだけで、ミミちゃんが寂しくなくて済むから!
妻にはどこまで伝わったか分からないが、本当に感謝している。